专利摘要:
電荷蓄積用の装置における空間電荷の望ましくない影響を低減するためのより効果的な装置および方法を提供する。電荷蓄積装置への電荷フラックスを制御する方法は、電荷蓄積装置に電荷が蓄積される電荷蓄積時間を決定し、イオン源から生成された第1イオンビームの電荷フラックスを測定し、この測定した電荷フラックスに基づいて、電荷蓄積時間の間に電荷蓄積装置に蓄積される目標電荷数を決定し、この決定した目標電荷数に基づいて、イオン源から生成された第2イオンビームを変調することにより、当該第2イオンビームからの目標電荷数が電荷蓄積時間の間に電荷蓄積装置に蓄積されるようにすることを含む。イオン処理装置は、この電荷フラックスを制御するように構成されている。また、イオンビーム変調器は、このイオンビームを変調する。
公开号:JP2011508381A
申请号:JP2010539608
申请日:2008-12-04
公开日:2011-03-10
发明作者:ウェルズ,グレゴリー,ジェイ.
申请人:バリアン・インコーポレイテッド;
IPC主号:H01J49-06
专利说明:

[0001] 本発明は、一般的には、分析化学、たとえば質量分析等の分野で行われるようなイオンの処理に関し、特には、イオン蓄積装置に蓄積されるイオン電荷量の制御に関する。]
背景技術

[0002] イオン(または電荷)蓄積装置は、当技術分野でよく知られており、たとえば3次元イオントラップや2次元(または「線形」)イオントラップ等の様々な形態がある。図1は、3次元イオントラップ100の一例を示す図である。この種のイオントラップは、上部双曲形状102および下部双曲形状104(端部(エンド)キャップとも称する)を形成する回転双曲面で構成された電極と、同じく回転双曲面である中央またはリング状電極106とで構成してもよい。また、中央電極106に交流電圧を印加して、電極アセンブリの中心方向を向く3次元四重極復元力を形成してもよい。イオンは、その軌道が(r)方向および(z)方向に拘束される場合、電気力学的な四重極場の中に閉じ込められる。端部キャップ102および104の一方または両者は、1または複数の開口部108および110を有していてもよい。これら開口部108または110の一方は通常、外部で生成されたイオンのイオントラップ100への導入、あるいは、トラップ内イオン化の場合における電子ビームまたは光子ビームの導入に利用される。また、開口部108および110の一方または両者は、既知のイオン処理技術、たとえば質量分析の場合の分析走査等におけるイオントラップ100からの(z)方向へのイオン放出に利用してもよい。さらには、イオン検出器(図示せず)を配置して開口部108または110の少なくとも一方から放出されたイオンを受け入れることにより、イオン流の測定や受け入れイオン数のカウント等を行ってもよい。] 図1
[0003] 図2は、線形イオントラップ200の一例を示す図である。この種のイオントラップは、図2中にz軸として示す中心縦軸の周りに配された双曲断面の4つの電極202、204、206、および208で構成してもよい。これらの電極202、204、206、および208は、図2に例示したように、円柱ロッドの形態で設けることによって双曲形状に近似させてもよい。通常、一方の対向電極対202および204は電気的に相互接続されており、別の対向電極対206および208も同様である。そして、ロッド対202、204および206、208の間には、交流電圧が印加される。このようにして生成される交流電界によって、ロッド構造の中心軸方向を向く2次元復元力がイオンに付与される。この四重極復元場は、中心軸の横断方向にイオンをトラップするトラップ場に相当する。プレート212および214がロッド構造の端部に配置され、直流電圧が印加されている場合は、ロッド202、204、206、および208の軸に沿う向きの力がイオンに付与される。このため、x軸およびy軸方向には交流電圧勾配により、また、z軸方向には端部プレート212および214に印加された直流電位により、イオンが閉じ込められることになる。通常、この種のイオントラップ200へのイオンの導入は、プレート212または214の開口部を介して軸方向に行われる。また、イオンは、軸方向に放出される構成であってもよいし、あるいは、隣接ロッド202、204、206、および208の間またはロッド202、204、206、および208の1つまたは複数個に形成された開口部もしくは細長孔を介して径方向に放出される構成であってもよい。その他の線形イオントラップは、4つの電極202、204、206、および208よりも多くの電極(たとえば、6つまたは8つ等)を用いて形成することができる。この場合は、当技術分野でよく知られている六重極または八重極等、四重極よりも高次の多重極場が形成されることになる。また、同じく周知の通り、多重極電極群は、質量フィルタ、衝突セル、または単にイオン案内装置もしくはイオン集束装置として動作するものであってもよい。] 図2
[0004] 当技術分野においては、特定の質量対電荷比のイオンをイオン蓄積装置から選択的に除去することが知られている。たとえば、イオントラップにおいては、3次元イオントラップの場合は端部キャップ対に、また、線形イオントラップの場合は対向ロッド対に付加的な交流電圧を印加することによって、選択したイオンを除去(放出)するようにしてもよい。これにより、この付加的な電圧の周波数と一致(マッチング)する固有振動周波数(または永年振動周波数)を有する質量対電荷比のイオンは、印加された付加的電界の方向にトラップから放出されることになる。なお、複数の質量対電荷比を有するイオンの放出に際しては、複数の周波数を含む波形を用いてもよい。イオンのイオン蓄積装置への進入中にこれら複数の周波数が印加されている場合は、不要なイオンをその進入時に連続して除去することができる。ただし、イオン蓄積装置における空間電荷の形成は、様々な理由により望ましくない。たとえば、空間電荷が大量に存在すると、イオン周波数がシフトして、付加的な周波数との最適な共鳴関係が維持されなくなる可能性がある。同様に、付加的な周波数に近い周波数のイオンがシフトして、周波数の共鳴により放出されてしまう可能性がある。したがって、イオン蓄積装置の設計および運用における空間電荷への対処という周知のニーズが存在する。]
[0005] 下記特許文献1等に開示の方法では、イオン蓄積装置またはイオントラップ質量分析計における電荷の数は、電荷フラックス(束)によって電荷蓄積時間を変更および制御可能であるという構成に基づいている。この種の技術は、本開示の図3Aおよび図3Bを参照して説明可能である。サンプル量の増加により電荷フラックスが大きくなると(図3A)、イオン蓄積時間が短縮され、一定数の電荷が蓄積される(図3B)。したがって、サンプル量が少ない場合は、イオン蓄積時間が長い(Δta1)。そして、サンプル量が増加すると、イオン蓄積時間は短くなる(Δta2)。電荷は、蓄積時間が可変であることから、可変長の単一パケットとしてイオン蓄積装置に導入される。] 図3A 図3B
先行技術

[0006] 米国特許第6,987,261号明細書]
発明が解決しようとする課題

[0007] 時間が短くなるとイオンパケットの長さも短くなるが、電荷密度は実質的に大きくなる。したがって、サンプル量を増加させるとイオン空間電荷密度が大きくなり、望ましくない。また、その結果としてイオン周波数がシフトするため、望ましくない。
以上より、電荷蓄積用のイオントラップ等の装置における空間電荷の望ましくない影響を低減するためのより効果的な装置および方法に対するニーズは、依然として存在する。]
課題を解決するための手段

[0008] 本開示にて教示する特定の実施態様によれば、このようなニーズは、蓄積時間を変化させるよりも、一定の蓄積時間Tacで蓄積装置に進入するイオン電荷フラックスを制御して空間電荷密度を維持することにより満たすことができる。また、本開示にて教示する特定の実施態様によれば、電荷フラックスが変調されながら、イオン蓄積時間Tacが一定に保たれるため、走査と走査との間の時間が一定に保たれるという別の効果がもたらされる。この点は、イオン源からの電荷フラックスの変化に応じて蓄積時間が変更される従来の技術と大きく異なる。]
[0009] 上述の課題のすべてもしくは一部、および/または当業者であれば見出し得たその他の課題に対処するため、本開示は、以下の実施態様の各例で説明するような方法、プロセス、システム、装置、器具、および/または機器を提供する。
一実施態様によれば、電荷蓄積装置への電荷フラックスを制御する方法が提供される。この方法は、電荷蓄積装置に電荷が蓄積されるべき電荷蓄積時間を決定することと、イオン源から生成された第1イオンビームの電荷フラックスを測定することと、この測定した電荷フラックスに基づいて、電荷蓄積時間の間に電荷蓄積装置に蓄積されるべき目標電荷数を決定することと、この決定した目標電荷数に基づいて、イオン源から生成された第2イオンビームを変調することにより、当該第2イオンビームからの目標電荷数が電荷蓄積時間の間に電荷蓄積装置に蓄積されるようにすることとを含む。]
[0010] 一実施例において、上記第2イオンビームの変調には、パルス周波数変調技術を利用する。
別の実施例において、上記第2イオンビームの変調には、比例変調技術を利用する。
一実施例において、上記方法は、第2イオンビームをイオン源と電荷蓄積装置との間に介装されたイオンレンズ素子に移送することを含む。また、上記第2イオンビームの変調は、制御された電位をイオンレンズ素子に印加することによって、第2イオンビームを所望の角度だけイオンレンズ素子の軸から偏向させることを含む。]
[0011] 一実施例において、上記電位の印加は、第2イオンビームを複数の離散パルスに分割することを含む。また、上記第2イオンビームの変調は、パルスを電荷蓄積装置に移送することによって、第2イオンビームからの目標電荷数が電荷蓄積時間の間に電荷蓄積装置に蓄積されるようにすることをさらに含む。
別の実施例において、上記電位の印加は、第2イオンビームを複数の離散パルスに分割することを含む。また、上記第2イオンビームの変調は、パルスのイオンを時間的および空間的に拡げることによって、パルスを連続イオンビームに変換し、この連続イオンビームを電荷蓄積装置内に案内することによって、当該第2イオンビームからの目標電荷数が電荷蓄積時間の間に電荷蓄積装置に蓄積されるようにすることをさらに含む。]
[0012] 別の実施例において、第2イオンビームの上記軸からの偏向角度は、電荷蓄積装置に移送される当該第2イオンビームのイオンの割合に対応する。また、上記第2イオンビームの変調は、上記割合のイオンを電荷蓄積装置に移送することによって、当該第2イオンビームからの目標電荷数が電荷蓄積時間の間に電荷蓄積装置に蓄積されるようにすることをさらに含む。]
[0013] 別の実施態様によれば、イオン処理装置が提供される。このイオン処理装置は、内部を有する真空引き可能なハウジングと、この内部と連通したイオン出射口と、イオン出射口を通るイオンビーム軸の周りに少なくとも一部が配された上記内部内のイオン案内装置と、イオンビームを所望の角度だけイオンビーム軸から偏向させてイオン出射口から離間させるとともに、当該イオンビームの目標電荷数を一定の電荷蓄積時間にわたってイオン案内装置からイオン出射口内へ移動させる偏向手段および/または回路とを備えている。]
[0014] 別の実施態様によれば、イオン出射口と電荷蓄積装置との間には、付加的なイオン閉じ込め装置が介装されている。上記偏向手段は、目標電荷数を上記一定の電荷蓄積時間にわたって、イオン閉じ込め装置によってイオン出射口を介して電荷蓄積装置へ移動させる。イオン閉じ込め装置は、一連の離散イオンパケットを電荷蓄積装置が受け入れる連続イオンビームに分散させるように構成されていてもよい。]
[0015] 別の実施態様によれば、イオンビーム変調器が提供される。このイオンビーム変調器は、第1チャンバと、イオン出射開口部を有する第2チャンバと、当該第1および第2チャンバ間に介装されたイオン案内出射レンズと、イオン案内出射レンズとイオン出射開口部との間で、第1チャンバに配設されたイオン案内装置と、第2チャンバに配設されたイオン偏向装置とを具備する。また、イオン偏向装置は、イオン軸の周りに配された少なくとも2つのイオン偏向素子を具備しており、このイオン軸は名目上、上記少なくとも2つのイオン偏向素子間で、イオン案内装置からイオン出射レンズを経て、イオン出射開口部を通る。このイオンビーム変調器は、制御された電位を上記少なくとも2つのイオン偏向素子それぞれに印加して、イオン偏向装置を通るイオンビームを所望の角度だけイオン軸から偏向させ、当該イオンビームの目標電荷数を一定の電荷蓄積時間にわたってイオン出射開口部から移動させるように構成された装置および/または回路をさらに具備する。]
[0016] 別の実施態様によれば、イオン処理システムが提供される。このイオン処理システムは、イオン入射開口部を有する電荷蓄積装置と、このイオン入射開口部を介して電荷蓄積装置と連通したイオンビーム変調器とを備えている。このイオンビーム変調器は、イオン入射開口部側へ名目上集束されたイオン軸から、イオンビームを所望の角度だけ偏向させるとともに、当該イオンビームの目標電荷数を一定の電荷蓄積時間にわたって、イオン入射開口部を介してイオンビーム変調器から電荷蓄積装置に移動させる装置および/または回路を具備する。]
[0017] 本発明のその他の機器、装置、システム、方法、特徴、および利点については、以下の図面および詳細な説明を参照することによって、当業者には明らかとなるであろう。そのような付加的なシステム、方法、特徴、および利点のすべては、本明細書に包含され、本発明の範囲に存するとともに、添付の特許請求の範囲によって保護されているものとする。]
[0018] 本発明は、以下の図面を参照することによって、より理解することができる。図面中の構成要素は、必ずしも縮尺通りではなく、本発明の原理を説明するために強調されている。図面中、異なる図面を通して対応する部分には、同一の参照符号を付している。]
図面の簡単な説明

[0019] 当技術分野で公知の3次元イオントラップの断面立面図である。
当技術分野で公知の線形イオントラップの斜視図である。
サンプル量を時間の関数としてプロットしたものであって、当技術分野で公知の電荷蓄積制御技術を説明しているもの(図3A)、および電荷を時間の関数としてプロットしたものであって、当技術分野で公知の電荷蓄積制御技術を説明しているもの(図3B)である。
本開示にて教示する一実施態様に係る、システム実装電荷制御の一例を示した模式図である。
本開示にて教示する一実施態様に係る、イオンビーム変調器の一例を示した断面模式図である。
本開示にて教示する一実施態様に係る、イオンビーム変調器の一例を示した斜視図である。
本開示にて教示する一実施態様に係る、イオンビーム変調器の一例を示した切り欠き斜視図である。
偏向器電圧を時間に対してプロットしたものであって、本開示にて教示するパルス周波数変調技術の一例を説明している。
イオンパルスを時間に対してプロットしたものであって、本開示にて教示するパルス周波数変調技術の一例を説明している。
本開示にて教示する一実施態様に係る、イオンビーム変調器の一例を示した断面図であって、本開示にて教示する比例変調技術の一例に係る偏向器電圧の組み合わせを種々異ならせたものである。
本開示にて教示する一実施態様に係る、イオンビーム変調器の一例を示した断面図であって、本開示にて教示する比例変調技術の一例に係る偏向器電圧の組み合わせを種々異ならせたものである。
本開示にて教示する一実施態様に係る、イオンビーム変調器の一例を示した断面図であって、本開示にて教示する比例変調技術の一例に係る偏向器電圧の組み合わせを種々異ならせたものである。
本開示にて教示する一実施態様に係る、イオンビーム変調器の一例を示した断面図であって、本開示にて教示する比例変調技術の一例に係る偏向器電圧の組み合わせを種々異ならせたものである。
本開示にて教示する一実施態様に係る、イオンビーム変調器の一例を示した断面図であって、本開示にて教示する比例変調技術の一例に係る偏向器電圧の組み合わせを種々異ならせたものである。
イオン透過の割合を偏向器電圧の関数としてプロットしたものであって、本開示にて教示する比例変調技術の一例を説明している。
本開示にて教示する一実施態様に係る、電荷蓄積方法の一例を示したフローチャートである。] 図3A 図3B
実施例

[0020] 本明細書では一般に、「連通(通信、接続)する」および「連通(通信、接続)している」(たとえば、第1の構成要素が第2の構成要素と「連通(通信、接続)する」または「連通(通信、接続)している」)等の用語は、2つ以上の構成要素間または要素間の構造的、機能的、機械的、電気的、信号的、光学的、磁気的、電磁的、イオン的、または流体的関係を示す際に使用している。そのため、1つの構成要素が第2の構成要素と連通(通信、接続)しているという事実は、別の構成要素が第1および第2の構成要素間に存在する可能性、および/または両者と動作可能に関連付けもしくは係合される可能性を除外するものではない。]
[0021] 本明細書に開示の主題は、一般的にはイオンの電荷制御および関連するイオン処理に関する。方法、ならびにその関連機器、装置、および/またはシステムの実施態様の各例については、図4〜図12を参照して以下により詳しく説明する。なお、これらの例は、質量分析との関連で説明している。ただし、イオンの制御や検出等の処理に関わる任意のプロセスは、本開示の範囲内に包含されてもよい。その他の例としては、材料、電子装置、光学装置、および製品の製造に用いられるような真空蒸着等の製造プロセスが挙げられるが、これらには限定されない。] 図10A 図10B 図10C 図10D 図10E 図11 図12 図4 図5 図6
[0022] 図4は、本開示の一実施態様に係る、イオン電荷フラックスを制御する機器(または装置、アセンブリ、システム等)の一例を示した模式図である。本明細書で使用する通り、「フラックス」という用語は、規定面積の平面を単位時間に通過する電荷の数として定義してもよい。図4は、電荷フラックス制御装置を実装可能な動作環境の例も示している。一例として、電荷フラックス制御装置は、質量分析(MS:Mass Spectrometry)システムまたはその他のイオン処理システム400として具現化してもよいし、その一部として含まれていてもよい。当業者には当然のことながら、システム400の多くの構成要素は、極低圧または真空で動作するものであってもよい。なお、そのような動作条件の維持に必要な種々構成要素(たとえば、密封筐体、ゲート、真空ポンプ等)については、簡略化のため図示していない。同様に、(以下に説明する構成要素は別として)システム400のモジュール間を流れるイオンの制御に利用される種々構成要素(たとえば、イオン光学素子等)についても図示していない。] 図4
[0023] サンプル材料は、任意の適当なサンプル導入システム(図示せず)によってイオン源402に供給される。イオン源402は、サンプル材料をイオン化して、連続またはパルスイオンビーム404を生成する。一部の実施態様において、イオン源402は、大気圧で動作するものであってもよく、そのため、システム400の真空部分の外側に配置されていてもよいが、別の実施態様においては、低圧または真空の条件下で動作するものであってもよい。イオン源402で生成されたイオンは、イオンビーム変調器408に移送406される。イオンビーム変調器408の詳細な実施例については、以下で説明する。また、以下で説明するように、イオンビーム変調器408は、パルス周波数変調および比例変調を含む様々な技術に従って電荷フラックスを変調するものであってもよい。イオンビーム変調器408は、イオンの移送410を制御することにより、イオン蓄積器(または電荷蓄積器)412への電荷フラックスを制御する。また、以下で説明するように、イオンビーム変調器408は、イオン蓄積器412との連通を可能にするイオン開口部を介して、イオンビーム変調器408からイオン蓄積器412まで貫くイオン軸から、イオンビームを所望の角度だけ偏向させる手段を具備していてもよい。このように、イオンビーム変調器408は、一定の蓄積時間Tacにわたって、目標電荷数をイオン蓄積器412に移送することができる。この目標電荷数は、たとえば実施する特別な実験に最適と考えられる量であってもよい。]
[0024] イオン蓄積器412は、たとえば図1または図2に示すとともに上述したイオントラップ100または200等、制御可能な条件下でイオンを閉じ込め可能な任意の装置であってもよい。イオン蓄積器412自身は、質量分析または質量フィルタリングプロセスを実施可能であってもよい。また、イオン蓄積器412は、図1または図2に示したイオントラップ100または200の場合のように、イオンに電界を印加するように構成されていてもよい。さらに、イオン蓄積器412は、たとえばイオンサイクロトロン共鳴(ICR:Ion Cyclotron Resonance)トラップもしくはフーリエ変換質量分析計(FTMS:Fourier Transform Mass Spectrometer)、または1もしくは複数の電気的セクターおよび磁気的セクターを含む器具の場合のように、電界および磁界の両者を印加するように構成されていてもよい。一部の実施態様において、イオン蓄積器412は、イオンの別のイオン蓄積または閉じ込め装置418への移送416に備えて、イオンの蓄積、保持、または閉じ込めを行う装置として単独または主として機能するものであってもよい。たとえば、第2のイオン蓄積または閉じ込め装置418は、質量分析器として構成してもよい。一具体例において、第2のイオン蓄積または閉じ込め装置418は、FTMSの形態で提供される。当業者には当然のことながら、このような装置418は通常、そのイオン処理または操作機能の実現に適した多重極、セクター型、またはその他の電極構造を含んでいてもよい。] 図1 図2
[0025] より一般的に、装置418は、連続ビーム装置(たとえば、多重極装置、飛行時間型(TOF:Time‐of‐Flight)、電気的もしくは磁気的セクター型等)または時系列(時間順)型装置(たとえば、イオントラップ、FTMS等)として構成されていてもよい。さらに、システム400は、タンデム型MSまたはMS/MS等の複合技術を実施可能であってもよく、この場合は、2つ以上の質量分析器(かつ2種類以上の質量分析器)を使用してもよい。一例として、イオン源は、混合物の分子イオンを分離するために質量分離の第1段階として動作する多重極またはセクター構造と接続してもよい。第1の分析計は、衝突集束関数を実行するとともに衝突チャンバまたは衝突セルと呼ばれることが多い別の多重極構造(通常は高周波のみのモードで動作する)と接続してもよい。ここで、アルゴンまたは窒素等の適当な不活性衝突ガスを衝突セルに吹き込んで、イオンの分裂を生じさせることにより、娘イオンを生成する。また、この第2の多重極構造は、娘イオンを走査するために質量分離の第2段階として動作するさらに別の多重極またはセクター構造と接続してもよい。最後に、第2段階の出力をイオン検出器に接続する。]
[0026] システム400は、1または複数のイオン検出器を具備していてもよい。これらイオン検出器は、空間電荷制御のための分析前走査(前走査)、および質量スペクトルデータ生成のための分析走査の一部としてイオンの測定を行う必要に応じて、システムのその他の装置と関連して構成および配置してもよい。たとえば、イオン検出器は、イオン源402で生成された電荷フラックスの大きさの測定に利用してもよい。また、イオン検出器は、イオン蓄積装置412および/または418の外部に配置され、これら装置412および/または418から放出されたイオンを受け入れるようになっていてもよく、または、これら装置412および/または418と統合していてもよい。一例として、イオン蓄積装置412または418は、イオントラップとして構成してもよく、外部の電子増倍管、光電子増倍管、ファラデーカップ等にイオンを放出可能であってもよい。また、イオン検出器は、質量走査機能を提供する別の質量分析器と関連付けられていてもよい。標準的な外部イオン検出器の動作においては、適当に印加された(かつ通常は一定の)加速電圧またはバイアス電圧によって、イオン流がイオン検出器側へ集束される。イオン検出器は、受け入れた(検出した)イオン流の強度に比例する電流にイオンを変換する。このイオン/電子変換の結果として得られた電流は、電荷フラックスの測定や質量スペクトルの生成等の必要に応じたさらなる処理のため、増幅されて他の電子装置に伝送される。別の例として、FTMS等のイオン蓄積装置412および/または418は、1または複数の電極で生成されたイメージ電流の検出、または共鳴状態の間に電界に吸収された出力の測定によって、電荷フラックスを測定するように構成されていてもよい。これらすべての場合において、システム400は、質量スペクトルの生成の必要に応じて、イオン検出器から出力された電流を処理するように構成されていてもよい。この処理には、単一のプロセッサによる処理/調整、メモリへの格納、および読み出し/表示手段による提示が必要となる場合がある。通常、質量スペクトルは、検出したイオンの相対存在度を質量対電荷比の関数として示した一連のピークである。そして、熟練分析者であれば、質量スペクトルを解釈することによって、システム400で処理したサンプル材料に関する情報を得ることができる。図4に示す例では、イオン信号処理ハードウェア420がイオン蓄積装置418と通信している。また、システム400は、イオン源402の「下流側」かつイオンビーム変調器408の「上流側」に補助イオン検出器422を具備していてもよい。さらに、イオン源402で生成されたイオンの補助イオン検出器422への案内426のため、適当な設計のイオン偏向装置424を動作させてもよい。] 図4
[0027] システム400は、上述の構成要素の1つまたは複数個を制御する適当なアナログまたはデジタル電子制御装置430をさらに具備していてもよい。なお、電子制御装置430に対する入出力用の信号伝送線については、簡略化のため図示していない。例として、電子制御装置430は、これら構成要素の1つまたは複数個に送られる高周波信号、交流信号、および直流信号のタイミングおよび動作パラメータを制御するほか、ユーザー入力およびプログラミングのためのインターフェースを提供するようにしてもよい。当業者には当然のことながら、電子制御装置430は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで構成してもよく、また、プログラム可能な汎用装置および/またはシステム400の特定の構成要素に対する制御またはインターフェース専用の機能を有する装置である1または複数の制御モジュールを表すものであってもよい。]
[0028] 一部の実施態様において、システム400は、ビーム変調器408とイオン蓄積器412との間で軸方向に配置された、たとえば多重極イオンガイド等のイオン閉じ込め構造(明示せず)をさらに具備していてもよい。以下で詳述するように、この付加的なイオン閉じ込め構造は、ビーム変調器408で生成されたイオンのパケットを、イオン蓄積器412に向けられる連続イオンビームに分散させるのに利用してもよい。]
[0029] システム400の運用の一例において、図4に示す第1のイオン蓄積装置412は、主としてイオン蓄積器として動作する。第2のイオン蓄積装置418は、質量分析器として動作する。ここで、イオン蓄積装置412に蓄積された後、質量分析器418に移動される電荷を制御する方法を提供する。この方法によれば、イオン源402の動作により、イオンビーム404が生成される。そして、比較的短時間の前走査を行うことによって、イオン源402からの電荷フラックスを見積もることができる。この前走査は、一定時間Δtpreの間、イオン源402からのイオンビームを補助イオン検出器422へと偏向426させることによって、電荷フラックスの測定を行ってもよい。あるいは、イオンビームは、変調を伴わずにイオンビーム変調器408を通過させて、イオン蓄積装置412に案内してもよい。その後、イオン蓄積装置412の動作により、イオン蓄積装置412と関連付けられたイオン検出器(図示せず)にイオンが放出される。さらに別の方法として、イオンビームは、変調を伴わずにイオンビーム変調器408を通過させて、イオン蓄積装置412に案内してもよい。イオンは、一定時間Δtpreの間、イオン蓄積装置412に蓄積可能となり、その後、質量分析器418に移動されて測定される。これらいずれの場合においても、イオン源402からの電荷フラックスを測定した後は、次の分析走査でイオン蓄積器412に蓄積されるべき目標電荷数Tvを決定するための計算が行われる。目標電荷数は、サンプル材料に対して行われる分析実験の種類、サンプル材料の既知もしくは考え得る組成または化学構造等、多くの要素により決まるものであってもよい。一般的に、目標電荷数は、1または複数の要素に従ってサンプル分析を最適化する値である。たとえば、このような最適化の目的としては、空間電荷の悪影響を除去するか、または少なくとも分析上許容できる水準まで低減させつつ、高い感度および質量分解能を提供することが挙げられる。結果として、蓄積するべき目標電荷数により、次の分析走査におけるイオンビームの変調度が決定される。また、この変調の程度によって、分析実験中のイオンビーム変調器408の動作方法が決定される。] 図4
[0030] 前走査を実行して変調度を決定した後は、イオン源402の動作により、第2のイオンビームが生成される。第2のイオンビームは、上述の計算または決定に従って、イオンビーム変調器408により変調される。イオンビーム変調器408は、予め決められた一定の電荷蓄積時間Tacにわたってイオンがイオン蓄積装置412に進入できるように、第2のイオンビームのイオン電荷フラックスを変調する。この一定の蓄積時間Tac、すなわち電荷蓄積のためイオン蓄積装置412が「開放」される時間は、イオン蓄積装置412の電荷容量により決まるものであってもよい。また、この電荷容量は、当業者には当然のことながら、多くの物理的および運用上の要素(たとえば、装置の形状、直径、長さ、印加信号の周波数、高周波電圧等)により決まるものであってもよい。さらに、上記一定の蓄積時間Tacは、電荷フラックスにより決まるものであってもよい。たとえば、電荷フラックスがあまりにも小さい場合は、イオンビーム変調器408をデューティサイクル(デューティ比)100%で動作させても、所与の蓄積時間Tacに十分な電荷が生成されないこともある。この場合は、蓄積時間を長くする必要がある。]
[0031] この電荷蓄積時間の最後に、目標電荷数Tvがイオン蓄積装置412に蓄積されることになる。イオン蓄積装置412は、質量分析を実施するように構成されている場合、所望の実験に従って蓄積イオンの分析走査を行うように動作させてもよい。あるいは、イオン蓄積装置412の動作によって、蓄積イオンを質量分析器418に移送した後、所望の分析走査を行ってもよい。]
[0032] 図5は、本開示にて教示するところのイオンビーム変調器500の一例を示した断面模式図である。図6は、この例の3次元構造を示すイオンビーム変調器500の斜視図である。図7は、電極形状を示すために切り欠いたイオンビーム変調器500の別の斜視図である。
この例において、イオンビーム変調器500は、第1真空チャンバ502および第2真空チャンバ504を具備する。イオン源で生成されたイオンビーム506は、スキマープレート等の適当なイオン入射口508を介して第1真空チャンバ502に進入する。イオンビーム変調器500は、イオン蓄積装置のイオン入射開口部510と連通している。このように、イオン入射口508、第1真空チャンバ502、第2真空チャンバ504、および入射開口部510を通るイオン軸512に大略的に沿ったイオン経路が定義される。また、イオン蓄積装置の入射開口部510は、イオンビーム変調器500のイオン出射口、または変調器出射口、蓄積器入射口、およびイオン移送中間構造(たとえば、キャピラリ)の組み合わせ等と見なしてもよい。] 図5 図6 図7
[0033] 第1真空チャンバ502は、たとえばイオン軸512に沿って延びた六重極ロッド構成等のイオンガイド514を具備していてもよい。第1真空チャンバ502と第2真空チャンバ504との間の境界には、イオン軸512の周りに配されたイオン案内出射レンズ516が含まれる。イオンガイド514は、必要に応じて交流(高周波)または交流および直流電位を利用して、入射口508からイオン案内出射レンズ516にイオンを移送する。イオン案内出射レンズ516は、イオンガイド514からイオンを抽出するとともに、次の真空チャンバ504へのガス流を制限する。]
[0034] 第2真空チャンバ504は、協働してイオン蓄積装置の入射開口部510にイオンビーム506を集束させるように機能するイオン案内集束レンズ518、イオン偏向レンズ520、および入射レンズ522を具備していてもよい。イオン案内集束レンズ518、イオン偏向レンズ520、および入射レンズ522はそれぞれ、イオン軸512の周りに筒状の回転対称をなしていてもよい。一部の実施態様において、イオン偏向レンズ520は、物理的に分離した少なくとも2つのイオン偏向素子524および526を具備する。図示の例では、イオン偏向レンズ520が対称軸512に沿って2つの筒状部分524および526に均等分割されている。各電圧源528および530にて模式的に示す通り、イオン偏向素子524および526に印加される電位は、独立して制御可能である。]
[0035] 当業者には当然のことながら、電圧源(図示せず)には、それぞれの機能を実行する必要に応じて、その他のイオン光学要素を接続してもよい。また、当然のことながら、イオン経路およびその関連軸512は、イオンビーム変調器500の全範囲にわたって一様に直線である必要はない。図5は、様々なイオン光学要素を相対配置する方法のほんの一例を示している。イオン軸512は、イオン入射口508からイオンビーム変調器500の様々な構成要素を経て入射開口部510に至るイオン走行の一般的または名目上(非偏向)の方向を表している。] 図5
[0036] イオン偏向レンズ520は、イオンビーム506を所望の角度だけ軸から偏向させて変調することにより、入射開口部510を通ってイオン蓄積装置に入射する電荷フラックスを制御するように機能する。このように電荷フラックスを制御することにより、一定のイオン(電荷)蓄積時間にイオン蓄積装置に入射するイオン(つまりは電荷)の数も同様に制御可能である。たとえば、イオン偏向レンズ520の両イオン偏向素子524および526が同じ電位および極性である場合(たとえば、イオンの極性に応じて両素子が±30Vである場合等)、イオン偏向レンズ520は、イオン集束レンズとして機能する。この場合、イオンビーム506は偏向を受けず、言い換えれば、偏向の程度もしくは変調の程度または偏向量もしくは変調量がゼロであり、イオンビーム506からのイオンの入射開口部510への入射が阻止されることはない。一方、イオン偏向素子524および526が逆極性の十分大きな電位(たとえば、+170Vおよび−170V等)に設定されている場合は、イオンが集束軸512から偏向されて、すべてのイオンが入射開口部510への入射を阻止される角度まで入射開口部510から離間される。上記2通りの動作条件は、図8に詳しく示すように、入射開口部510へのイオン流(つまりは電荷フラックス)をON/OFF制御するイオンゲートとしてイオン偏向レンズ520を動作させるために実施してもよい。この種の動作は、以下で詳述するように、パルス周波数変調を実施する際に有用である。ONとOFFとの2つの状態間では、所望の割合のイオンに入射開口部510を通過させる一方で、残りのイオンの通過を阻止する角度までイオンビーム506を偏向させるように、イオン偏向素子524および526に印加される電位の大きさおよび極性を設定してもよい。この後者の動作モードは、同じく以下で詳述するように、比例変調を実現する際に有用である。] 図8
[0037] 本開示で上述したように、一部の実施態様において、開口部510は、イオンビーム変調器500のイオン出射口であって、所望の軸長のイオン閉じ込め装置(図示せず)と連通している。このイオン閉じ込め装置は、イオン蓄積装置の入射開口部と連通している。このような中間のイオン閉じ込め装置は、多重極(四重極、六重極等)のイオンガイドとして構成してもよく、また、第1真空チャンバ502および対応するイオンガイド514と同様の概略断面を有していてもよい。したがって、このイオン閉じ込め装置は、たとえば入射開口部と出射開口部との間に軸方向に延びた電極群を具備していてもよい。また、イオン閉じ込め装置の入射開口部は、イオンビーム変調器500のイオン出射口510に対応するものであってもよく、あるいは、イオン出射口510から軸方向のある距離に設けられてもよい。同様に、イオン閉じ込め装置の出射開口部は、イオン蓄積装置の入射開口部に対応するものであってもよく、あるいは、イオン蓄積装置の入射開口部から軸方向のある距離に設けられてもよい。また、使用に際しては、特にパルス周波数変調との関連でイオン閉じ込め装置を設けてもよい。イオンビーム変調器500で生成されたイオンのパケットは、イオン閉じ込め装置内に案内される。減衰ガスとの衝突および飛行時間の影響により、イオン閉じ込め装置内を走行するイオンパケットは、時間的および空間的に分散される。その結果、強度および電荷密度が等しい一連の離散イオンパケットは、一様な強度の連続イオンビームに変換された後、イオン蓄積装置内に案内される。この目的のため、イオン閉じ込め装置内におけるイオンの走行を制御する必要に応じて、交流信号、高周波信号、および/または直流信号を印加してもよい。また、減衰ガスは、圧力差に起因するイオン蓄積装置からの後方漏れにより供給してもよい。あるいは、イオン閉じ込め装置に直接、減衰ガス流を注入してもよい。イオン閉じ込め装置は、変調を受けているイオンの軌道および運動エネルギーが減衰ガスとの衝突の悪影響を受けないように前段のイオンビーム変調器500を低圧環境に維持するため、イオンビーム変調器500から構造的に分離していてもよい。]
[0038] パルス周波数変調を実施するため、イオン偏向電極を動作させることにより(図8)、蓄積器セルの入射開口部510に対して近づく方向および遠ざかる方向にイオンビームを交互に偏向させて変調する。これにより、変調器セルが連続イオンビームの電荷フラックスを一連の離散時間パケット、すなわち、パルスの周波数を決定する時間Δtacをそれぞれ有するイオンパケットに分割する。このように、イオンビーム中の異なる質量によって、電荷は時間的および空間的に拡げられる。その結果、予め決められた一定の電荷蓄積時間Tac、たとえば500msにわたって蓄積器に入射する擬似連続イオンビームが得られる。このように蓄積器セルに目標電荷数を蓄積するには、一定の電荷蓄積時間Tacにわたって蓄積器セルの入射開口部510を介して特定数のイオンパケットを移動させる必要がある。たとえば、イオンビーム506が50μsの一定パルス幅を有する一連のパルスに分割されている場合、デューティサイクルは、蓄積時間当たり1回のパルスが出現する0.01%(500ms当たり50μsのパルス)から蓄積時間当たり持続時間50μsのパルスが最大10,000回出現する100%まで変更可能である。] 図8
[0039] 図9は、このプロセスの代表的なタイミング図を示す。前走査時間Δtpreの間に収集される電荷Qpre(クーロンの単位で測定)は、以下の式で得られる。
Qpre=(Δtpre)(Ψ)(C) 数式1
ここで、Cはイオン化源に入射するサンプル濃度(イオン/cm3)、Ψはイオン源のイオン化効率およびイオン検出器の効率に関連する定数(クーロン・cm3)/(秒・イオン)である。同様に、分析走査時間Δtanalの間に収集される電荷Qanalは、以下の式で得られる。] 図9
[0040] Qanal=(Δtanal)(Ψ)(C) 数式2
特定量の電荷をイオン蓄積器に蓄積した後、質量分析器に移動させたい場合は、電荷Qanalを「目標」値Tv=Qanalで表すことができる。イオンの蓄積器への蓄積が可能な分析走査の蓄積時間における合計時間Δtanalは、個別の時間パケットΔtacの合計であるため、以下の式で得られる。]
[0041] Δtanal=N(Δtac) 数式3
ここで、パルス数(または変調器周波数)N=1、2、3、・・・、Nmaxで、Nmax=Tac/Δtacである。
数式1、数式2、および数式3より、以下の関係が得られる。
Qpre/Tv=Δtpre/(NΔtac)、または
N=(Δtpre/tac)(Tv/Qpre) 数式4
前走査の電荷Qpreは、測定値である。その他のパラメータはユーザーが設定するため、これにより、Nを計算することができる。そして、図9に示すパルス間の時間も計算することができ、以下の式で得られる。] 図9
[0042] (Tac−NΔtac)/(N−1)=Δtd 数式5
前走査用イオン検出器が分析走査用検出器と異なる場合は、以下の通りである。
Qp=(Δtpre)(Ψ’)(C) 数式6
ここで、Cはイオン化源に入射するサンプル濃度、Ψ’はイオン源のイオン化効率および前走査用イオン検出器の効率に関連する定数である。特定量の電荷を蓄積器に蓄積した後、質量分析器に移動させたい場合は、電荷Qanalを「目標」値Tv=Qanalで表すことができる。数式1および数式6より、以下の関係が得られる。]
[0043] Qpre/Tv=(Ψ’)Δtpre/((Ψ)NΔtac) 数式7、または
Qpre/T’v=Δtpre/(NΔtac) 数式8
T’v=(Ψ’)Tv/(Ψ) 数式9
したがって、以下の通りである。
N=(Δtpre/Δtac)(T’v/Qpre) 数式10
このように、前走査に異なるイオン検出器を使用しても、目標値が一定の倍率だけ変化するのみである。サンプル量の変化によってイオン源からの電荷フラックスが変動しているときにイオン蓄積器に収集される所定電荷量の制御は、(1)前走査に対してTv、Δtpre、およびΔtacの値を設定し、(2)前走査の結果として得られるQpreを測定し、(3)数式4または数式10よりNを計算し、(4)数式5よりΔtdを計算することによって実現することができる。]
[0044] 変調器のON時間(Δtac)は、当技術分野で知られている任意の適当な手段により、電子タイマーで設定してもよい。同様に、算出された次のONパルスまでの遅延時間Δtdおよび総パルス数Nについても、当技術分野で知られている任意の適当な手段によって制御してもよい。
測定された特定質量Imのイオン存在度は、イオン源からのイオン流を直接測定したものではないが、以下のように、イオン源から出射する無変調イオンビームを表す値に後で変換することができる。]
[0045] Ims=Im(Tac/NΔtac) 数式11
持続時間50μsの単一変調パルス(Δtac)により、イオンパケットがイオン蓄積器への走行を開始することになる。このパルス時間の間に、質量対電荷比が100でエネルギーが4eVのイオンは、138mmの距離を走行する。一方、質量対電荷比が1000のイオンの走行距離は、44mmである。したがって、様々な質量対電荷比に分布したイオンを含む標準的なイオンパケットは、電荷の空間的な拡がりをさらに大きくするとともに望ましくない空間電荷の影響をさらに減じるため、単一パルスの時間内で空間的に拡がることになる。蓄積時間Tacの間にN個のパルスが発生している場合は、イオンパケットの飛行時間拡がりによって、電荷がイオン蓄積器の軸に沿って一様に分布するため、軸に沿って電荷密度が一定となる。変調器セルからの電荷フラックスおよび蓄積器セルに入射する電荷フラックスを一定に保つことによって、サンプル量の変化によってイオン源からのイオンフラックスが変動することに起因する空間電荷の変化を阻止することができ、これによりイオンの共鳴周波数の変化が阻止されるため、空間電荷の変化に起因する望ましくない永年周波数シフトの悪影響を除去することができる。]
[0046] 本開示にてさらに教示するところによれば、パルス周波数変調の代替手段として比例変調が挙げられる。比例変調では、蓄積器に入射する電荷フラックスが比例して低減されるように、イオンビームを入射開口部の軸から偏向させることによって電荷フラックスを変調する。以下、図10A〜図10Eおよび図11を参照して比例変調を説明する。
図10A〜図10Eは、図5に示したイオンビーム変調器と同様に構成されたイオンビーム変調器1000を示す図であって、同じ構成要素には同一の参照符号を付している。具体的に、図10A〜図10Eは、イオンビーム変調器1000の様々なイオン光学要素に印加されている標準的な電位を示しており、異なる時間にイオン偏向素子1024および1026に印加されている様々な偏向器電圧を含んでいる。なお、当然のことながら、電圧の実際の値は、ほんの一例として付与したものであって、これらに限定されない。図10A〜図10Eのそれぞれにおいて、一方のイオン偏向レンズ1024は30Vの一定に保たれているが、対向するイオン偏向レンズ1026は図示の電圧で変化している。このため、図10Aでは、イオンビーム1006のすべての負イオン(つまりはすべての電荷)が軸に沿って集束するとともに、すべてのイオン(電荷)が入射開口部1010を通過するように、イオン偏向レンズ1024および1026の両者とも−30Vとなっている。図10B、図10C、および図10Dでは、(図面に向かって)「右側」のイオン偏向レンズ1026に印加された電位が、他方のイオン偏向レンズ1024に印加された−30Vの電位から連続して変化することによって、イオンビーム1006の偏向の程度が大略「右側」に配置された光学要素の方向へ連続的に増加している。図10B、図10C、および図10Dは、イオン偏向レンズ1024および1026の動作状態を示しており、所望の比率または割合のイオン(電荷)が入射開口部1010を通過する一方で、残りのイオンの通過は阻止されている。図10Eでは、イオン偏向レンズ1024および1026の電位(差)は、如何なる(または少なくとも大部分の)イオンも入射開口部1010を通過しない角度まですべてのイオンが軸から偏向されるように選択されている。] 図10A 図10B 図10C 図10D 図10E 図11 図5
[0047] 図11は、可変の偏向器電圧と入射開口部を通過するイオンの割合との関係をプロットしたものであって、様々な初期条件の100個のイオンの軌道をSIMION ver.7.0で計算した結果である。測定したイオン強度は、この変調器透過率と偏向器電圧との関係で較正することによって強度変換することができる。
図12は、電荷蓄積装置に流れ込む電荷フラックスの制御方法の一例を示したフローチャート1200である。このフローチャート1200は、図示の方法を実施するように構成された装置またはシステムを表すものであってもよい。このような装置またはシステムは、たとえば他の図面で図示するとともに上述した構成と同様の特性を有するものであってもよい。この方法は、始点1202から開始する。ブロック1204では、電荷蓄積時間を決定する。電荷蓄積時間は、電荷蓄積装置に電荷が蓄積されるべき時間である。ブロック1206では、イオン源から生成された第1イオンビームの電荷フラックスの測定等によって、実験で処理するイオンビームの電荷フラックスを推定する。ブロック1208では、推定または測定した電荷フラックスに基づいて、電荷蓄積装置に蓄積されるべき目標電荷数を決定する。ブロック1210では、決定した目標電荷数に基づいて、イオン源から生成されたイオンビームを変調する。この変調イオンビームは、前段のイオン群の前走査による電荷フラックスの推定(ブロック1206)の後に実験で分析される次のイオン群であってもよい。また、イオンビームの変調に使用する技術は、上述のパルス周波数変調技術または比例変調技術のいずれであってもよい。この方法は、終点1212で終了する。] 図11 図12
[0048] 当然のことながら、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、種々態様または詳細を変更してもよい。さらに、上記説明は、ほんの一例に過ぎず、これらに限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲によって規定される。]
权利要求:

請求項1
電荷蓄積装置への電荷フラックスを制御することによりイオンを処理する方法であって、前記電荷蓄積装置に電荷が蓄積されるべき電荷蓄積時間を決定することと、イオン源から生成された第1イオンビームの電荷フラックスを測定することと、前記測定した電荷フラックスに基づいて、前記電荷蓄積時間の間に前記電荷蓄積装置に蓄積されるべき目標電荷数を決定することと、前記決定した目標電荷数に基づいて、前記イオン源から生成された第2イオンビームを変調することにより、当該第2イオンビームからの前記目標電荷数が前記電荷蓄積時間の間に前記電荷蓄積装置に蓄積されるようにすることと、を含む方法。
請求項2
前記電荷フラックスを測定することが、前記第1イオンビームからイオン検出器にイオンを移送することを含む、請求項1に記載の方法。
請求項3
前記電荷フラックスを測定することが、前記第1イオンビームを前記電荷蓄積装置内に案内して、当該電荷蓄積装置からイオン検出器にイオンを移送することを含む、請求項1に記載の方法。
請求項4
前記電荷フラックスを測定することが、前記第1イオンビームを前記電荷蓄積装置内に案内して、当該電荷蓄積装置から別の電荷蓄積装置にイオンを移送し、当該別の電荷蓄積装置からイオン検出器にイオンを移送することを含む、請求項1に記載の方法。
請求項5
前記電荷フラックスを測定することが、前記第1イオンビームを前記電荷蓄積装置内に案内して、当該電荷蓄積装置からイオントラップにイオンを移送し、当該イオントラップを作動させて前記電荷フラックスに対応する値を測定することを含む、請求項1に記載の方法。
請求項6
前記イオントラップが、フーリエ変換質量分析計の一部であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
請求項7
前記第2イオンビームを、前記イオン源と前記電荷蓄積装置との間に介装されたイオンレンズ素子に移送することをさらに含み、前記第2イオンビームを変調することが、制御された電位を前記イオンレンズ素子に印加することによって、当該第2イオンビームを所望の角度だけ当該イオンレンズ素子の軸から偏向させることを含む、請求項1に記載の方法。
請求項8
前記電位を印加することが、前記第2イオンビームを複数の離散パルスに分割することを含み、前記第2イオンビームを変調することが、前記パルスを前記電荷蓄積装置に移送することによって、当該第2イオンビームからの前記目標電荷数が前記電荷蓄積時間の間に前記電荷蓄積装置に蓄積されるようにすることをさらに含む、請求項7に記載の方法。
請求項9
各パルスが時間的なパルス幅を有し、前記パルスがパルス周波数で移送され、前記決定した目標電荷数に基づいて、当該パルス幅およびパルス周波数を決定することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
請求項10
前記電位の印加が、前記第2イオンビームを複数の離散パルスに分割することを含み、前記第2イオンビームを変調することが、前記パルスのイオンを時間的および空間的に拡げることによって、当該パルスを連続イオンビームに変換し、当該連続イオンビームを前記電荷蓄積装置内に案内することによって、当該第2イオンビームからの前記目標電荷数が前記電荷蓄積時間の間に前記電荷蓄積装置に蓄積されるようにすることをさらに含む、請求項7に記載の方法。
請求項11
前記第2イオンビームの前記軸からの偏向角度が、前記電荷蓄積装置に移送される当該第2イオンビームのイオンの割合に対応し、前記第2イオンビームを変調することが、前記割合のイオンを前記電荷蓄積装置に移送することによって、当該第2イオンビームからの前記目標電荷数が前記電荷蓄積時間の間に前記電荷蓄積装置に蓄積されるようにすることをさらに含む、請求項7に記載の方法。
請求項12
内部を有する真空引き可能なハウジングと、前記内部と連通したイオン出射口と、前記イオン出射口を通るイオンビーム軸の周りに少なくとも一部が配された前記内部内のイオン案内装置と、イオンビームを所望の角度だけ前記イオンビーム軸から偏向させて前記イオン出射口から離間させるとともに、当該イオンビームの目標電荷数を一定の電荷蓄積時間にわたって前記イオン案内装置から前記イオン出射口内へ移動させる偏向手段と、を備えたイオン処理装置。
請求項13
前記イオン案内装置が、前記イオンビーム軸の周りに配設され、独立して制御可能な電圧信号をそれぞれ受け取るように構成された少なくとも2つのイオン偏向素子を具備することを特徴とする、請求項12に記載のイオン処理装置。
請求項14
前記イオン案内装置が、前記イオンビーム軸の周りに配設された少なくとも2つのイオン偏向素子を具備し、前記偏向手段が、前記少なくとも2つのイオン偏向素子に印加される電位を制御する手段を具備することを特徴とする、請求項12に記載のイオン処理装置。
請求項15
前記イオン案内装置が、前記偏向手段と電気的に接続しているイオン偏向器と、当該イオン偏向器と前記イオン出射口との間に介装されたイオン入射レンズと、イオン集束レンズとを具備し、前記イオン偏向器が、前記イオン入射レンズと前記イオン集束レンズとの間に介装されていることを特徴とする、請求項12に記載のイオン処理装置。
請求項16
前記ハウジングが、第1チャンバと、第2チャンバと、当該第1チャンバを前記第2チャンバに連通させるイオン案内出射レンズとを具備し、前記イオン案内装置が、前記第1チャンバに第1イオン案内要素を具備し、前記第2チャンバに第2イオン案内要素を具備し、当該第2イオン案内要素が、前記偏向手段と電気的に接続しているイオン偏向器を具備することを特徴とする、請求項12に記載のイオン処理装置。
請求項17
前記イオン出射口を介して前記ハウジングの内部と連通した電荷蓄積装置をさらに備え、前記偏向手段が、前記目標電荷数を前記一定の電荷蓄積時間にわたって前記イオン出射口を介して前記電荷蓄積装置へ移動させることを特徴とする、請求項12に記載のイオン処理装置。
請求項18
前記イオン出射口と連通したイオン閉じ込め装置と、当該イオン閉じ込め装置と連通した電荷蓄積装置とをさらに備え、前記偏向手段が、前記目標電荷数を前記一定の電荷蓄積時間にわたって、前記イオン閉じ込め装置によって前記イオン出射口を介して前記電荷蓄積装置へ移動させることを特徴とする、請求項12に記載のイオン処理装置。
請求項19
前記イオンビームからイオンを受け取るように位置付けられたイオン検出器をさらに備えた、請求項12に記載のイオン処理装置。
請求項20
前記ハウジングが、第1チャンバと、前記イオン出射口と連通した第2チャンバと、当該第1および第2チャンバ間に介装されたイオン案内出射レンズとを具備し、前記イオン案内装置が、前記イオン案内出射レンズと前記イオン出射口との間で、前記第1チャンバに配設されたイオン案内部と、前記第2チャンバに配設されたイオン偏向装置とを具備し、前記イオン偏向装置が、前記イオンビーム軸の周りに配された少なくとも2つのイオン偏向素子を具備し、当該イオンビーム軸が名目上、前記少なくとも2つのイオン偏向素子間で、前記イオン案内部から前記イオン出射レンズを経て、前記イオン出射口を通り、前記イオンビーム偏向手段が、制御された電位を前記少なくとも2つのイオン偏向素子それぞれに印加して、前記イオン偏向装置を通るイオンビームを所望の角度だけ前記イオン軸から偏向させ、当該イオンビームの目標電荷数を一定の電荷蓄積時間にわたって前記イオン出射口を介して移動させるように構成された回路を具備することを特徴とする、請求項12に記載のイオン処理装置。
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